SUPER BEAVER最新フルアルバム「アイラヴユー」、誰に向けた“愛”なのか

今回レビューしますのは、2月3日に発売されましたSUPER BEAVERのフルアルバム「アイラヴユー」です。メジャー再契約第1弾となるアルバムで何を伝えてくれるのか。ライブやフェスで多くの人々の心を鷲掴みにするSUPER BEAVERを取り上げていきます!
目次
SUPER BEAVER
SUPER BEAVERは2005年に結成された4人組のロックバンドです。2009年には一度メジャーデビューを果たしますが、2012年に自主レーベルを立ち上げて活動していました。後にロックレーベル[NOiD]に所属し、2019年には日本武道館公演の一般販売を即日ソールドアウトさせ、キャリア最大キャパとなる国立代々木競技場第一体育館でライブを成功させました。
2020年にはSony Music Recordsにてメジャー再契約、メジャー復帰作「ハイライト/ひとりで生きていたならば」「突破口/自慢になりたい」をリリースしました。そしてその快進撃を止める事を知らず結成15周年となる今年、メジャー再契約第一弾となる待望のフルアルバム「アイラヴユー」をリリースしました。
メンバー
渋谷龍太
「ぶーやん」という愛称でボーカルを担当している彼は、SUPER BEAVERの顔です。すごく綺麗な声をしている印象ですが、綺麗、上手いだけではなく人の心に訴えかけてくる力強さを感じます。彼のずば抜けたファッションセンスには羨望に堪えないですね。
柳沢亮太
愛称は「やなぎ」、ギター、コーラスを担当しています。ピアノやシンセサイザーなどの楽器を担当することもあり、SUPER BEAVERのほぼ全ての楽曲の作詞作曲を手掛けています。また、他のアーティストへ楽曲提供するなどの多才さが窺えます。
上杉研太
SUPER BEAVERのベース、コーラスの彼はリーダーであるため、愛称は「リーダー」です。ラーメン好きであるため、「上杉ラーメン部」というTwitterアカウントを設立し、バンド仲間とラーメン巡りをしているそうです。また、猫好きです。
藤原広明
ドラム、パーカッションなどを担当する彼の愛称は「ひろぽん」ですが、老け顔で見られるため自身のSNSアカウントの名前に年齢をミドルネームに入れており、公式サイトやライブ中でも年齢を入れて紹介されます。
「アイラブユー」収録曲
今夜だけ
今作の1曲目になります。率直な感想としては、「あれ、1曲目からミドルテンポ?」と思ってしまいましたが、そんなのは杞憂でした。数分後には聴き入ってました。そのくらい身に染みる歌詞、テンポが1曲目から私を魅了しました。
この歌詞のような状況、自分に刺さりすぎました・・・!何もしていなくても時間ばかりが過ぎていき、周りの人たちに置いて行かれているような感覚・・・。毎日の生活に納得しようとしても、何か諦めきれない気持ちが溢れてくるような感覚、特にバンドマンであれば感じたことがある感情なのではないでしょうか。この曲の良いところは、決して「強くあれ」という訳じゃなく、「今日くらい弱気でいい、みんな弱い面を持っている」と言ってくれているような点ですね。弱ってる時って周りが見えなくなりがちですが、まるでそんな時に寄り添ってくれる感じの曲ですね。
このアルバムでは1曲目でしたが、ライブでは最後の方で聴いたらまた印象が違うんだろうな!と思わせてくれる曲でした。
ハイライト
メジャー復帰作となる疾走感溢れる「ハイライト」が2曲目になります。最高にブチ上がるナンバーですよね!
また、前向きな歌詞にも心が突き動かされますね。ただポジティブな言葉をつらつらと歌ってるのではなく、「楽しかったことだけじゃなく、辛かったことも悲しかったことも全部あって今の自分があるんだ」と“心強い”歌詞がなんとも私たちを励ましてくれますね。自分の事をこんなふうに認めてあげられれば、もっと多くの感情と向き合った毎日になれそうですよね。きっとこの曲に勇気つけられた人はたくさんいるんだろうなぁ。
突破口
一言で言うであれば、『かっこいい』ですね!タイトルから分かるようにとても真っ直ぐな曲です。歌詞の中にも『今』というワードがたくさん出てきます。「後先のことはついてくるから、『今』と向き合おうぜ!」と背中を押してくれるSUPER BEAVERらしい疾走感あるナンバーです!
きっと本人たちもこの言葉を誰よりも信じて頑張ってきたんだと思います。歌詞にもあるように彼らは『今』をやめなかったから笑ってられる前例なんですね。
mob
この「mob」は「モブキャラ」のそれですね。今や社会問題の一つとなった現代のネット社会で起こる匿名の誹謗中傷のことを歌ってます。本当にその通りだ!と声を大にして言いたくなる歌詞です。ネットで簡単に情報を得られるのはとても便利ですが、身を晒さず人の事を悪く言うことの異常さに現代はもっと気づくべきですね。
なんともファンキーなリズムとリフが心地良いです!サビの「Na-na, na-na-na-na」はライブで是非とも一緒に歌いたいです!!ライブフロアが一体になってる様子が目に浮かびます!少なくともライブでこの曲にノってる人は、誹謗中傷なんてしないことを信じておりますが・・・。
自慢になりたい
私的に、今作のアルバムの収録曲の中でどストライクです。メロディがダントツで好きです。最後のサビの転調とかも気持ちよーく曲を盛り上げて、締めくくってくれてますね。
歌詞も泣けますね。いちいち胸に刺さりますよね(最大級の褒め言葉)。「寂しさ」というのは決して悪い要素ではなくて、「歓び」を望むための理由なんて、名言すぎません?(歌詞を転用するのはあえて避けてます)
なんだかこういう曲を聴くと、本人たちもたくさん苦労したし、悔しかったし、辛かったんだろうけど、この歌のまま頑張ってここまで来たんだろうなって想像するだけで、目から熱いものが込み上げてきますね。
パラドックス
深い歌詞です。すごく分かりやすい言葉選びをしてるからこそ、言葉の深みが伝わりやすい印象を感じます。
「絶対」「永遠」なんて無い、けど「本当」はある。はい、ここテストに出ます。前者の2つのワードは悪い言い方をすると都合の良い言葉ですが、後者は良くも悪くも真実なんですよね。だからこそ深くて重みのある言葉なんですね。
アイラヴユー
アルバムタイトルにもなってるナンバーは、コロナ禍にある今、彼らが一番伝えたい想いなのではないかと思います。
なかなか「アイラヴユー」って大々的に歌うことって照れ臭いとか、日本人には似合わないような印象を持たれがちですが、いろんな愛の表現の仕方ってあるんですね。きっと彼らは今の状況でライブをすることが難しい今、ファンの顔を合わせられない今、SUPER BEAVERなりのファンへの愛を表しているように感じますね。
予感 -Album mix-
こちらは2018年にリリースされたシングルからの一曲になります。ファンとしては待望のアルバム収録となったのではないでしょうか!
この曲もとても良い曲ですよね。なんでこんなに前向きなんだろう、なんて眩しい人たちなんだ、SUPER BEAVER!本能のままにわくわくする気配の方へ突き進んだって良いじゃない!そんな“予感”からは強いパワーを感じます。これからが明るく見えてくる、そんな一曲です。
時代
オーディエンスが「wow~wow」と歌っているのが目に浮かびますね。サビの掛け合いの後にメロディがくる感じもいいですよね。決して早いテンポの曲ではないですが、ライブ会場が一体になれる曲の一つですね。
私としてはこの曲は応援歌のように捉えています。人それぞれの直向きな頑張りを認めてくれているような感じがします。SUPER BEAVERに「誇ってよ」と言われたら自信持てちゃいますね!
ひとりで生きていたならば
私はこの曲を[THE FIRST TAKE]で知りました。ぶーやんの綺麗で力強い歌声が映えるなあと印象に残っています。タイトルにも印象が残っていて、支えてくれている人がいてくれることを逆説的に表現することで、ひとりじゃないことの大切さが伝わりやすいですよね。
楽器の構成もストリングスが入っており、曲に壮大さをもたらしてくれますね。「ギター、ベース、ドラムこそがロック!」と言いたくもなりますが(偏見そのもの(笑))、それ以外の楽器だからこそ曲の表現の可能性が広がってきますよね!音楽って素晴らしい!
さよなら絶望
「さよなら絶望」って強い言葉ですよね・・・!「さよなら」も「絶望」もネガティヴな印象の強いワードですが、それが組み合わさるとポジティブな強い言葉に変化するなんて、言葉ってやっぱり面白いですね。特に「絶望」ってかなりネガティヴが強い印象がありますが、歌詞にもあるように「口にして本当にしよう」ですね!
サビもひたすら同じフレーズなのでとても覚えやすい曲ですよね。私も気づいたら口ずさんでいました(笑)私も嫌なことがあったら「さよなら絶望」と口に出してみることにします!
まとめ
メジャー復帰して初のフルアルバムということでしたが、内容量がいっぱいに詰まった作品でした!全てがいい曲です!油の乗りまくっている彼らを象徴するアルバムとなっているのではないでしょうか。また思うがままにライブを体感できる日が来るのが待ち遠しいです。彼らの猛烈な勢いに置いていかれないように、ライブやフェスで彼らと暴れ回りたいですね!結成15周年を迎えた彼らの進化がこれからも楽しみです!
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